YUICHI HIRAKO
平子雄一
1982年岡山県生まれ。2006年Wimbledon college of Arts(UK)にて学位取得。自身が幼少期育った地域が手付かずの「自然」に囲まれていた記憶・体験と、都市部の生活では公園や植樹された人為的な環境をも「自然」であると人々が認識していることとの差異に感じた違和感から出発し、自然と人の関係性を考察する作品を制作している。観葉植物、ペット、切花を室内に生けるための花器など、人の生活の中では自然を擬似的に享受するための文化がさまざまに生み出されてきた。平子の作品には、それらが時折批判的な眼差しで、時には慈しむように描かれる。平子自身の投影でもある植物の頭部をもった人物が頻繁に登場するが、彼の佇まいにもどこか自然と人との軋轢に惑うような様子が想像される。
2009年「シェル美術賞」入選、2010年「トーキョーワンダーウォール2010」トーキョーワンダーウォール賞受賞、2013年VOCA展奨励賞受賞(上野の森美術館)。個展「project N71 平子雄一」(東京オペラシティアートギャラリー, 2018)、「Leftover」(第一生命ギャラリー, 2018)など国内外の展示多数。LISSER ART MUSEUM(The VandenBroek Foundation, オランダ)、Akzonobel Art Foundation(オランダ)、第一生命保険株式会社(東京)などが収蔵する。