IORI SUGAMA
須釜衣緒里
須釜衣緒里
東京芸術大学絵画科油画専攻在籍中。抽象的なアプローチの絵画作品を中心に制作。「Overlapping Landscape」と題したシリーズを続けている。重なり合う風景というような意味合いになるが、具体的な描写は見られず、色彩と線描が重なりあう複雑で重厚な画面が特徴的である。それぞれの作品には絵具のチューブや何かしらの紙片などが塗り込められており、鑑賞者は画面のなかで唯一視点をそこに留めることになる。東京藝術大学油画学部3年学外進級展示「où」(3331Arts Chiyoda, 2022)など。
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Title: Overlapping(fucking) landscape 3
Year: 2022
Medium: mixed media
Dimensions: 116.7 x 91 cm
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Overlapping(fucking) landscape 3
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Year: 2022本作は一様ではないが、画面全体を覆うブルーの色彩がまず目に入る。しかし、青、と厳密に表すことができるような部分は少なく、赤や緑、黄色、使い古したパレットのようにさまざまな色彩が癒合しながら総合的に画面の青味が作りだされている。近くに寄って見ることでその色彩の複雑さはより明瞭になる。1950年代ヨーロッパではアンフォルメルの作家たちがあらゆる形を否定し詩的抽象の表現を深めていったが、須釜の本作品も直ちに認められる何らかの具体的な図像はない。ただ一点、画面上部に塗り込められた絵具のチューブが、画面の抒情性に対して強い叙述性を示している。突如として具体的な物、それも描写ではなくオブジェクトが差し挟まれている。アメリカ抽象表現主義が推進した「オールオーヴァーな」画面に対する挑戦的な刺突であるのかもしれない。
Medium: mixed media
Dimensions: 116.7 x 91 cm
Acquired from the artist, 2022