HIROKI NIIMI
にいみひろき
1985年生まれ。2014年多摩美術大学卒業。大学を卒業後はアートディレクターとして広告等のクリエイティブに携わりながら、個人の作家活動も並行した。現代は「クリエイティビティの消費」によって成り立つと作家は述べている。言わずもがなアーティストも広告業界のディレクターも想像的な生産活動をする職能のことを指す。そして消費は大衆によって行われる経済活動であり、それは社会的構造である。つまり、にいみは、デジタル化に伴って加速度的に生産と消費のサイクルが早まっている現代社会の構造を批判している。逆向きに物事を見てみればよりわかりやすい。消費自体は悪ではないが、消費されることで非搾取者と成り果てる者がいる状況をにいみは危惧し、それに警鐘を鳴らすのである。よって、にいみの作品には、バーコードのような商業的なアイコンや、社会現象的なブームに消費され尽くした残滓のようなもの、そういった象徴的なイメージをあえて繰り返し作品の題材として用いている。それは一方的な視点からではなく、消費することの暴力性に関する無自覚、消費されることの苦痛に麻痺してしまうこと、その両者を痛烈に批判するのである。