AKASHI TERAMOTO
寺本明志

Patio - 穴を掘る人- / Patio -Person digging the hole-
1992年神奈川県生まれ。2017年多摩美術大学大学院を修了。大学在籍中には絵画作品を中心としたインスタレーション作品なども制作。近年は「Patio」と題した絵画シリーズを展開しており、さまざまなオブジェ、生き物、事象が渾然一体となった空間を「Patio」と呼び、描写している。寺本にとって、「Patio」つまり中庭は、全ての事物の差異を留保することのできる中立地帯のような概念を仮称するものだと言える。本来「Patio」とはスペイン南部アンダルシア地方の住宅建築に伝統的に取り入れられる囲み地の避暑スペースのことだ。周囲の住民に共有されつつ、各々好きなものを持ち込んで、食事をしたり、対話をしたり、草花を育てたり、子供の遊び場にもなる。それぞれの関係性がイーブン、あるいはニュートラルであることを前提としているからこそ、そこではあらゆる関係性の軋轢が中空に置かれて留保される。寺本の作品には、描かれているさまざまなモチーフの本来の属性がことごとく無視されている。心地よいカオスがそこにある。福沢一郎賞受賞(2015年)、シェル美術賞2021入選。