RAFA MACARRON
ラファ・マカロン

Los mentores
1981年マドリード(ES)生まれ。元サイクリストで、独学のアーティストという異色の経歴を持つ。作家が影響を公言しているJ.デュビュッフェは、アール・ブリュット*の提唱者としても知られる。自身も正規の美術教育を受けていないマカロンにとって、アール・ブリュットの思想は美術シーンにおける自らのポジションの足がかりとしても重要だったに違いない。街の日常を風刺的に捉え、下書きもなく直感的に描き出していく。多くは群像として多数の人物が描かれているが、頭部は大きく表情は誇張され、一方で手足は針金のように細くディフォルメされている。宇宙や異世界的を思わせる歪んだ空間を、喜怒哀楽に満ちた表情のキャラクターたちが賑やかに表現されている。鮮やかな色彩構成や、一見抽象絵画とも思える構図もユニークで、独学であることを大きな強みへと変えて才能を世界に認めさせてきた。2010年のBMW Painting Awardを受賞。CVG Foundation(2019、北京)、マラガ現代美術センター(2021、スペイン・マラガ)、 La Nave Salinas財団(イビサ島)(2021)など、美術館やインスティテュートでの個展も多数。ニューヨークのHudson Valley Center for Contemporary Art、母国スペインのFundación BMWやMercadonaコレクションなどに作品が収蔵されている。*生の芸術: アウトサイダー・アート。西洋美術の規範(アカデミズム)によらない芸術表現全般を包括する、現代美術における多様性受容の背景として重要な概念。