MASATO KOBAYASHI
小林正人
1957年東京都生まれ。1984年、東京藝術大学美術学部油画専攻卒業。1997年、ゲント現代美術館の創設者でもある世界的なキュレーター、ヤン・フート(1936-2014)の手引きでベルギー・ゲントに活動拠点を移し、2006年帰国。多くの画家は、木枠などに貼ったキャンバスをまず用意し、その上で制作が始まる。しかし、小林は木枠を組み立てつつ、キャンバス地をストレッチしながら、同時に絵画も進めていくのである。したがって、小林の作品がまともな矩形を成していることはほぼなく、常に木枠は歪なまま危ういバランスで固定され、そのぐらつく木枠に曖昧なテンションでどうにかしがみついているキャンバス上に素手で掴んだ絵具を擦りつけていく。しかし、そこには絵画が見事なまでに立ち上がっている。1996年サンパウロ・ビエンナーレに日本代表として参加、主な個展に2000年宮城県美術館における「小林正人展」、2001年ゲント現代美術館「A Son of Painting」、2004年スウェーデンのテンスタコンストハーレでの「STARRY PAINT」など。東京藝術大学で教授として教鞭を執る。