ANSELM REYLE
アンセルム・ライル

Untitled
1970年テュービンゲン(DE)生まれ。1997年カールスルーエ公立美術アカデミー卒業。2013年ごろまで継続して発表してきた「Stripe Painting(Streifenbilder)」シリーズや、現在までライルの代表作と目されている「Foil Painting」のシリーズなどがある。ストライプの作品は、細長い箔や色付き鏡などの様々な素材によって構成しており、幾何学的抽象表現の最もティピカルなスタイルを引用しつつも、色鮮やかでポップな印象を与えると同時に、工業的な素材の無骨さも併せ持っている。転じてフォイルの作品では、銀色の大きなシートを引き絞った大ぶりなドレープを形成し、それを色付きのアクリルケースに完全に収めている。滑らかに反射するフォイルの光がアクリルケースの中で複雑な景色を生み、色付きのアクリル板を通して見るそれは強制的に着色される。この、工業的素材と強制的な着色行為は、作品が人工物であることを殊更に意識させる。ライルの作品は、消費社会に取材したポップ・アートやネオ・ジオ、インダストリアルなミニマリズムなどを継承する。2011年Diorとのコラボレーション「Anselm Reyle for Dior」などファッション分野でも注目を集める。Aranya Art Centre (2020年, 河北省・秦皇島)、Schinkel Pavillon (2012年, ベルリン)、アルケン近代美術館(2011年, デンマーク・イショイ)、 Kunsthalle Zürich(2006)など、世界各地での美術館個展多数。ポンピドゥー・センター(パリ)、ルイ・ヴィトン財団(パリ)、ピノー・コレクション(ベニス)、ベルリン国立美術館、ルベル・ファミリー・コレクション(マイアミ )、リウム/サムスン近代美術館(ソウル)などに作品が収蔵されている。ハンブルグ美術大学の絵画・デッサン科の教授を務める。