ガーデン / Garden
Year: 2022
Medium: mud pigment, plaster, Bengala(red oxide) on cheesecloth mounted on wood panel
Dimensions: 70.2 x 91 cm (27 5/8 x 35 in.)
Acquired from The Loop Gallery, 2022
黒い山羊か羊の力強い目がこちらを窺っており、豊かな草花が画面全体を大きく覆っている。その奥には鮮やかな朱色が見える。この牧歌的な場面に不釣り合いな赤と、黒く太い輪郭線。それらが作品の雰囲気をどこか不穏にさせている。土井の作品は主に顔料を用いて描かれている。特徴的な赤は弁柄(紅殻)を用い、顔料に石膏を混ぜるなど、土っぽさが画面に残る。そうした画材由来の荒い質感と動植物のモチーフは野生的でプリミティブな感覚を呼び覚ます。加えて、土井作品の特徴でもある真っ直ぐにこちらを見据える眼差しが、作品の前に立つ鑑賞者の心奥に何かを訴えかけてくる。土井は自らの制作を呪いや魔術のよう、と表現しているが、原初的な絵画の中に祈りや願いや畏れが織り込まれていたように土井の作品にも感情を揺り動かす何かを秘めている。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
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