Heaven’s Door #5
Year: 2022
Medium: acrylic on canvas, wood panel
Dimensions: 180 x 135 x 6 cm (70 7/8 x 53 1/8 x 2 3/8 in.)
Acquired from Mitsukoshi Contemporary Gallery, 2022
「Heaven’s Door」シリーズは17世紀のフランスにおいて使用されていた門扉を元に造形されている。中世をベースに世界観が作られることの多いゲームの中ではこの時代の建築やデザインが踏襲されることが多いため、ゲームを愛好する多田にとって現実世界では過去の遺物であるはずの古い門扉はゲーム内で頻繁に目にする既視感に溢れたものだったという。ゲームの中で見ているとしても、現実には決して手で触れられない対象である。多田は驚くべきことにこの作品を絵画として絵具によって作り出している。レリーフや鋳造ではなく、絵具の塊である。出来上がったそれに真向かいに、作家は斧を手に取る。本作の記録映像には、一心不乱に斧を門扉に突き立てる作家の姿が映し出されている。本来絶対に接触することのない現実(作家の身体)と仮想空間(ゲームの扉)の境界を破壊しようという作家の切実な衝動がそこにある。斧の傷によって曝け出された作品の内側の殊更鮮やかな黄色は、それが決して木(扉)ではないこと、そして全くもって非現実的なものの意として鮮烈な印象を残す。
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