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Limpid dream
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Year: 2021
Medium: oil, acrylic on canvas
Dimensions: 61 x 91 cm (24 x 35 7/8 in.)
Acquired from SBI Art Auction, 2025
現在のように24時間放送が一般的となる以前は、テレビの放映時間の終了時にカラーバーが映された。本作の山麓の下部に唐突として描かれている色面の羅列は、そのカラーバーを元にしている。猪瀬自身、かつて深夜の放送終了時に映し出されたカラーバーを見て恐ろしかったという。テレビを点けている限り、画面からは一方的に情報が流れ続けてくる。カラーバーはそれが突如として静止することを意味する。テレビらしさを喪失した状態に猪瀬が恐ろしさを感じたというならば、にぎやかなテレビが日常を構成する当たり前のものとして溶け込んでいたからだ。本作の上半分にある山の景色がそうであるように、猪瀬が描く風景画は雄大な自然のワンシーンを切り取っている。本来ならばその景色も流れゆく時間の中で刻々と様相を変えていくはずだが、猪瀬の手によってその流れていくべき時間は絵画の中で停止されているのだとも言える。テレビに依存する生活ならばカラーバーが映される時は一日の終わりを意味するだろう。目を閉じて怖い現実から逃れ、夢の中で明るい幸せな景色の続きを見るのだ。