NAOYA INOSE
猪瀬直哉
1988年、神奈川県生まれ。2012年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、2017年チェルシー・カレッジ・オブ・アーツを修士修了。猪瀬の絵画は、極めて写実性の高い精密な描写力によって写真のようにさえ見える。しかし、その描き出された景色は明らかに現実とは異なる寓話の世界である。大自然の中に突如聳えるモノリス、寂しそうに佇むペンギン、忘れ去られた遺跡のようでありつつも澄明なプール。西洋美術においてシンボルや寓意によって絵画を読むことができたように、猪瀬の作品も現代における社会、環境、文化などにおける問題系を物語るように作られている。実際に自らが赴いたことのある場所を題材としていながら、そこで得られた感性的直感に従って新たな寓話を編んでいく。2010年「高松コンテンポラリーアートアニュアル Vol.1」(高松市美術館)、2018年「20th DOMANI・明日」(国立新美術館, 東京)、2022-2023年「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館, 東京)などの国内主要美術館でのグループ展で紹介されている他、2022年「Under Current」(宝龍美術館, 上海)や2023年「The Everyday Interrupted」(Yu-Hsiu Museum of Art, 台湾)など海外での発表も多数。discord Yohji Yamamoto とのコラボレーションや、野村財団や吉野石膏美術財団からの活動助成、ベネトン財団研究所(イタリア)のコレクションに収蔵されるなど国際的に活躍の場を広げている。