Year: 2019
Medium: spray paint, acrylic on canvas
Dimensions: 100 x 100 cm (39 3/8 x 39 3/8 in.)
Acquired from PHILLIPS, 2022
MADSAKIはその他作品でも多くの引用をしているが、本作では、90年代のMTV内で放映されていたコメディアニメ「Beavis and Butt-head」のワンシーンを描いている。Beavis(向かって右)と相棒のButt-Head。Beavisは糖分を摂りすぎたり、過度に興奮するとCornholioという別人格が現れ、シャツの襟を頭に被り、スパニッシュ訛りの早口で理解不能な奇行に走る。MADSAKIは幼少期からアメリカに住み、英語が喋れない時期に絵はコミュニケーションの手段だったと話す。「Beavis and Butt-head」はいかにもブラック・ユーモアだが、言語がダメなら絵で、あるいは行動で垣根を越えて生き抜いていく強さが求められる多民族国家アメリカにおいては、コミュニケーション・ギャップは一つの社会的病理でもある。おそらくMTVをリアルタイムで視聴していたMADSAKIにとっては親しみと懐かしさと同時に、作家の世代で共有されるアメリカらしい文化の一つのアイコンとしての意味合いが強いだろう。