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untitled
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Year: 2021
Medium: crylic on canvas
Dimensions: 91 x 72.7 cm (35 7/8 x 28 5/8 in.)
Acquired from SBI Art Auction, 2025
山田の作品を特徴付ける一要素であるレモン・イエローが作品の四方に見える。直線的な黒い線が、青と赤を中心としたフィールドとイエローを大胆に分断している。光の当たる角度によってより顕著に表れる筆触が、一見一様に見える色面が実際には高度に複雑化された空間性を描いていることを示している。山田の絵画に表れる抽象性が、その取り付きやすい色彩と構図とによって、曖昧で気まぐれな概念の可視化に向かっているわけではないことは明らかだが、しかし、この画面によって何が抽象されているのかを汲み取るのはまるで容易ではない。それはまるで巨大な建築空間に放り込まれた小さな人間の視点のように、絵画空間の中で視線の道行きを遮るように何重にも織り込まれた色面と線との構造をくぐり抜け、その奥あるいは裏にあるものについて思い巡らせながら全容をどうにか想像していく、そういう類の絵画である。屈強な線と面の構造が視線を誘導し、私たちの目から自由さを奪っていくが、それに抗いながらこの全く平面的でない絵画空間に強い意志で潜っていかなくてはならない。赤と青の境界にあるのは黒い線ではなく、結果的に黒に見える影のような空間であるのかもしれない。その影の内側に潜む緑または白、あるいは未知の色彩の広がりについて探ることができるのかもしれない。