-
untitled
-
Year: 2024
Medium: cast urethane resin, fiberglass, epoxy
Dimensions: 56.2 × 67.9 cm (22 1/8 x 26 3/4 in.)
Acquired from Blum, 2024
レジン・ペインティングと呼ばれる、現在ではサリヴァンの代名詞的な作品シリーズとなっているものの一点。一般的な絵画は、キャンバス、下地塗り、下絵、と徐々に先にあるものの痕跡を消しながら完成に向かって上書きされていく。サリヴァンのレジン・ペインティングはその絵画の成立プロセスを全て逆向きにしたような態度で制作される。レジンによる鋳造絵画であると評されるように、プレート状のシリコン型の上にウレタン樹脂を幾層にも重ねていく。時折さまざまなジェスチャーを加えながら、さまざまな色彩が重なっていくが、作家はその時点で画面を確認することはできない。なぜなら制作の最中には画面は床に向かって伏せられたままなのであり、サリヴァンが目にすることができるのは常に絵の裏側であるからだ。つまり、本来ならば描き重ねられて見えなくなってしまうはずの、最初の層は完成された画面の最も表層に表れるということになる。本作では左にオレンジ色、右側に淡い緑色がお互いを侵食し合うように拮抗している。おそらくは主にそれらの二色は制作の初期段階でシリコン型に加えられており、下部に見られるお互いの色彩が引きずり合ったような混ざり方にはサリヴァンのジェスチャーが窺われる。透明性の樹脂の奥を覗き込めば更に後に加わった層が見えてくる。サリヴァンの作品は重ね描くことで消すことができる、つまり、ある種の可逆性を性質として持つ絵画からの積極的な逸脱であるだろう。