RYAN SULLIVAN
ライアン・サリバン

Untitled
1983年NY生まれ。2005年ロードアイランド・スクール・オブ・デザインを修了。粘性、流動性などの画材の物性に呼応するようにして作り上げられるサリバンの絵画作品は、50年代のタシスムや抽象表現主義、それに続くカラーフィールドの作家たちの精神的に近似しつつ、その現代的な変奏として現れている。しかし、激しい感情を想像させる作品の表情とは裏腹に、その制作プロセスは理知的な実験精神に満ちている。アトリエには、絵具や樹脂の物質性を最大限に生かすべく水平にキャンバスが置かれ、様々な物理的な現象を想定しながら制作され、絵画は常にサリバンの理性的制御化にある。制作のプロセスにおいて発生する物理的現象からイメージを抽出し、意味や象徴を帯びる前にそれらを捨象することで生まれる抽象性がサリバンの絵画である。2015年インスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アート(ICAマイアミ)での個展のほか、P.S.1(NY)、ロバートラウシェンバーグ財団(NY)、ボン美術館(ドイツ)、アスペン美術館(コロラド州アスペン)などでの展示に参加している。作品は、サンフランシスコ近代美術館、MoMA(NY)、ロサンゼルス・カウンティ美術館、ハマー美術館(LA)、インスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アート(マイアミ)などが収蔵している。