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slime CLXXXIX
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Year: 2023
Medium: oil on canvas
Dimensions: 162 x 130.3 cm (63 3/4 x 51 1/4 in.)
Acquired from Seibu Shibuya Art Gallery, 2023
本作は同名、同寸で三点の連作として制作されている。友沢はスライム状の物質が人物や人形などの主に顔を覆う様子を質感的に描くことで知られる。実際に作家自身や愛用の赤ちゃん人形(ルキちゃんという名が付けられている)にスライムを流し掛けて写真を撮り、それを元に制作している。スライムは粘性が高く、口や鼻にかかれば呼吸を妨げる上に触覚としてもそれなりの不快感が伴うはずである。しばしば友沢が自作について痛みや苦しみの観点から語っているように、身体を強く自覚するため、あるいは、鑑賞者にもその強い身体感覚を共感させるために、スライムによる息苦しさや不快感は絵画として極めて厳密に描かれなくてはならない。リアリズムの絵画である。しかし友沢の作品にリアリズムの系譜を見るとして、70年代のスーパー・リアリズムのようなカラー写真的なヴィジョンを絵画によって再演するようなものではないことは明らかで、絵画であるからこそスライムの粘性はより強調され、それに覆われていく顔はスライムとは全く異なる肌理で描かれる。リアリズムの中に潜むわずかなフィクショナリティに対し、人間の目は敏感に反応する。そこにある違和感を察知し、私たちはその正体を探ろうとする。その過程で私たちは画面の中の友沢の行為を追体験するのである。本作は東京都現代美術館で開催されたMOTアニュアル「シナジー、創造と生成のあいだ」(2023年)において発表された。