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Anima 47
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Year: 2023
Medium: glass, phosphorescent pigment, cast bronze Jacuzzi jet nozzles
Dimensions: 52 x 33 x 24 cm (20 1/2 x 13 x 9 1/2 in.)
Acquired from TARO NASU, 2023
田島の彫刻作品「Anima」は、吹きガラス工法による中空構造による歪んだ有機的な造形を有している。ガラス面にいくつかの穴が開けられており、ところどころ真鍮製の噴流式浴槽用ノズルが取り付けられている。AnimalやAnimationの語源にあたるラテン語の「Anima」は呼気を意味する。息は、命がそこにあることを示す。人の息吹によって作られるガラスの器は、呼気が流動しガラスを内側から押し出したその目に見えないエネルギーを造形しているのだと言える。このオーガニックな造形は、ひいては生命の器としての私たち人間の体(臓器)を暗に示すのだろう。物質としてのガラスは硬いが、分子構造的には液体という定義に置かれる。この透明で硬質な液体は個体と気体そして可視と不可視の中間相として、私たちの体を出入りする呼気が示す命の根源としての「Anima」を具体化させる媒体となっている。金属のノズルは端的に器の内外を巡る呼吸の直喩としてあるが、その隠喩として蓄光塗料が使われている。ガラスの内側に塗布された蓄光塗料によって取り込まれた光は暗闇の中で淡い燐光となって放出される。田島にとって環流するエネルギーの可視化は一貫したテーマである。