Year: 2022
Medium: Mixed Media
Dimensions: 50 x 23 x 16 cm (19 5/8 x 9 x 6 1/4 in.)
Edition: No. 18 of 30
Acquired from KOTARO NUKAGA, 2023
本作は、2022年にH BEAUTY&YOUTH(東京)とのコラボレーションで開催された個展「NOT TOO BAD」において150体からなるインスタレーションとして発表され、そのうちの30体のみが限定販売されたもの。透明の「彼」の体の中は空洞になっており、そこにはゴールドに塗られた廃棄木材のチップや海洋プラスチックが封入されている。平子は本作の制作のために自らこれらの廃棄物を拾い集めたという。人間の社会も含めて自然というものに目を向けている平子にとって、海洋プラスチックなどの問題は発展を志向する人類の歩みの結果であると看做して、決して全否定する立場には立っていない。結果的に起きた問題について悲観することと、改善へ向けて考えて実行していくことは同じではない。自然に対して抗うことで今日までの発展を果たしてきたことに対してポジティブに受け止めながらも、それが引き起こしてしまった問題に対しても目を瞑ることなく向き合うことこそが我々が今なすべきことだ。過剰に悲観してみせたところで前身はないのだとでも言うように、平子は集めた廃棄物をまるでキラキラとした宝物のように見せている。いわば反語的批判なのである。