Le Cirque (Mourlot 511)
Year: 1967
Medium: lithograph in colors
Dimensions: image: 42 x 32.2 cm (16 1/2 x 12 3/4 in.) Sheet: 51.9 x 37.9 cm (20 3/8 x 14 7/8 in.)
Edition: #13 of 24 (there is also a book edition of 250)
Acquired from Sotheby’s, 2022
エコール・ド・パリと呼ばれ、20世紀前半において最先端の美術大国であったフランスに拠点を置いた作家。同時代のピカソなどのキュビスト、シュルレアリスト、モディリアーニ、マティスらが極めて近い場所で活発に活動していた中、具象性を保ちつつも、それら多くの美術動向の要素を効果的に摂取しながら独自のスタイルを貫き通した画家でもある。本作は「Le Cirque」と題された全38点からなる版画作品の内一点。ユダヤ系ロシア人として苦悩を背負いながら育ったシャガールにとって、サーカスは娯楽の象徴でもあり、また、過酷な民族的な現実と享楽的な非現実の落差を想起させるものでもあっただろう。繰り返しサーカスを題材として描いており、度々、サーカスを一つの悲劇的隠喩として語った言葉が残されている。本作は日本では「白い服の女曲芸師」と呼ばれ、シリーズの中でも特に人気を博する。シャガールの好んだ特徴的な深い青と、道化師の白い衣装が印象的である。ユダヤ人でありながら聖書(キリスト教)を題材とする宗教的な表現も多かったシャガール。キリスト教における宗教絵画では、青(ヴェール)と白(百合)は聖母のアトリビュートでもあり、シャガールは青に愛と信仰の意を込めて描き続けた。
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