Entablature V (Corlett 142)
Year: 1976
Medium: screenprint and lithograph in colors wit collage and embossing
Dimensions: 107.4 x 138.2 cm (42 1/4 x 54 3/8 in.)
Edition: AP VIII, aside from the numbered edition of 30
Acquired from Sotheby’s, 2022
アンディ・ウォーホルと並ぶポップアートの巨匠。本作は、リキテンスタインの代名詞的ベンデイドット(網点)のシリーズではなく、活動後期にあたる70年代に制作された「Entablature(エンタブラチュア)」と名付けられたシリーズをレリーフプリントとして制作したものの一点。「Entablature」とはギリシャ・ローマ時代の建築様式において、柱頭を構成する水平方向の装飾を指す。基本的にはCornice(コーニス)、Frieze(フリーズ)、Architrave(アーキトレーヴ)と3層区分構造になっており、作品もそれを模しているのが見てとれる。本来は立体的造形である柱頭をフラットに捉え直すという形態上の再構成を経て、特定の建築様式の意匠、という絵画とは全く異なる形式から引用している。リキテンスタインが、初期にアメリカン・コミックの形式を絵画の形式へ応用したことも、本質はこれと同義である。通常、異なる形式間での表現の引用は安易になされることがない(それをする必然性や蓋然性が乏しい)ため、本作はこのリキテンスタインならではの特異性を端的に示したものと言えよう。
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