Dance 3 figure 1.
Year: 2022
Medium: Continuous computer animation on LED screen with sound
Dimensions: 100 x 50 x 8 cm (39 3/8 x 19 3/4 x 3 1/8 in.)
Edition: # 1 of 4 + 1A.P.
Acquired from Maho Kubota Gallery, 2022
オピーはこれまでもアニメーションによって動きの要素を作品に取り入れてきた。単純化された線画のポートレートに瞬きをさせる作品や、人物が滑らかに歩く姿を捉えた「Walking」のシリーズなどはよく知られている。オピーの作品で最も着目すべき点の一つは、単純な線によって最大限の表情を表していることである。対象の特徴を正確に捉えた上でその造形を簡略化しており、わずかな線の長さや角度のコントロール、点の位置や大きさ、それらの相互の関係性によって人物の複雑極まりない表情や動きを再現している。造形の単純化とは抽象化のプロセスでもある。本来抽象化することによって対象の個性は失われていくが、オピーはその個性が失われる寸前を見極めている。本作において、ダンスを踊る人物は丸い頭部と簡素なシルエットの身体によって極めて単純化されている。一見するとその動きは機械的で無個性に見える。しかし、本来「Dance 3」は本作を含む4連作であり、同じ振り付けのダンスを踊る他の3点との差異を比較することによってモデルとなったダンサーの「個」が浮かび上がってくる仕掛けになっている。軽やかに弾む身体に合わせて揺れるスカートの動き、上半身と下半身の捻れ、肩、肘、手首への柔らかな力の伝達など、まるで実際の人物が踊っているように思えてくるほどに細かな表情がそこにある。アニメーションということは一連の動作を細分化した静止画(フレーム)を連続(シークエンス)させることでこの動画は作られているはずである。人間の目にはシークエンスとしてしか認識されないが、一秒間に数十枚はあるであろう一つ一つのフレームにオピーによる緻密な線と表情の追求があり、それらが集積することによって本作が作り出されていることを念頭において鑑賞されたい。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
本サイトに掲載されているデータは著作権の保護の対象となります。無許可での転載・転用はご遠慮ください。 Any materials on this website are protected by the copyright law. No reproduction without permission allowed.