Tights
Year: 1987, printed in 2021
Medium: lambda print
Dimensions: image size: 125 x 83.7 cm (49 1/4 x 33 in.) / paper size: 130 x 100.3 cm (51 1/8 x 39 1/2 in.) frame size: 147 x 106.7 cm (57 7/8 x 42 in.)
Acquired from Sotheby's, 2022
森山は1972年刊行の『写真よさようなら』以後思うように写真が撮れず苦悩する中、1982年創刊の雑誌『写真時代』で連載を担当することとなった。そこで「光と影」(1981年)など、後に高い評価を受けることとなるキャリア中期の作品群を発表し始めカムバックを果たした。1986年から1988年の間に掲載された「美しい写真の作り方」シリーズは写真の主題に沿って6つのまとまりに分かれている。その6番目が本作のイメージを含む「下高井戸のタイツ」であり、3番目の「会津若松のタイル」と共に広く知られている。そして本作は「下高井戸のタイツ」の中で最も有名なイメージであると言って良いだろう。タイツの網目によって、深く曲げられた下肢に沿って作り出された曲線が強調され、また明暗の階調変化がより立体的に表現されている。本作は何らかの意図で赤一色のプリントとなっており、一層鮮烈な印象へと転じている。森山は、著作『写真との対話、そして写真から/写真へ』の中で、暗室での現像について「赤い電球の下、現像液のなかからジワリと一瞬が浮かび上がってくる」と表現した。その「一瞬」は赤く染まって見える。このことと、森山の写真において時折強い赤が表れることとは無関係であるとは思い難い。
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