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Year: 2020
Medium: acrylic on linen, mounted on wood panel
Dimensions: 180 x 180 cm (70 7/8 x 70 7/8 in.)
Acquired from SCAI THE BATHHOUSE, 2022
ホログラム塗料による七色の光が画面を満たしている。枯山水の砂紋のように扇状の弧を描く数条の筋が画面の対角に相似形をなしており、極めて幾何学的な印象を与える。その弧の要と接する形で真円が正方形のキャンバス中真に浮かんでいる。それは図としては明確に円であるものの、どのようにしてその円形が作り出されているのか、鑑賞者の目を混乱に引き込む。自作の器具を使ってこの不可思議な円形は作られている。半円をぶつけるような構図になると同時に、ホログラムの虹色の効果もちょうど半円の衝突線を境に反転する。作家本人が金屏風や食玩のホログラムシールを発想の原点として挙げているように、光、そして時間性(動き)を絵画的な表現の中に取り入れようとすると、反射光を選択することになるのはある意味必然的なことである。時間が一時たりとも静止しないのと同じように、本作の金属的な反射は鑑賞位置によって目まぐるしく様相を変化させる。