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cartwheel galaxy (savannah)
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Year: 2020
Medium: acrylic, glitter, glass on canvas
Dimensions: 193 x 259 cm (76 x 102 in.)
Acquired from rin art association, 2022
本作は鬼頭の「cartwheel galaxy」シリーズの中でも一枚のキャンバスとしては最大サイズとなる。日本のシュルレアリズムの第一人者として知られる福沢一郎による「サヴァンナの彼方」(1963年、群馬県立近代美術館蔵)から着想を得て制作され、2020年「絵画のミカタ」展(群馬県立近代美術館)においては両者が並んで展示された。福沢の「サヴァンナの彼方」では動物や人物の描写が黒々とした力強い円形のストロークに転換され、燃えるような赤い背景に浮かび上がっている。対して、鬼頭の作品もそれに呼応するように、赤を基調とした背景色に黒いストロークが重ねられている。しかし福沢のそれとは異なりより不規則な形状で、キャンバスの矩形の外側へ向かう線の延伸が想像される。更に、鮮やかな黄色い色面が、黒の線描と対比的に入れられており、鋭い明るさを画面に加えている。福沢の作品の黄色は赤をより明るく見せるように思われるが、鬼頭の作品では全く異なる位相に存在するように描かれている。両者の作品を比較してみることによって、鬼頭の絵画がいかに絵画的な空間性から逸脱しているのかが明確になっていく。絵画としての空間ではなく、絵画の中に空間そのものを成立させようとしている。