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Daylight / Daylong 006
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Year: 2021
Medium: digital chromogenic print
Dimensions: 16.8 x 52.1cm (6 5/8 x 20 1/2 in.)
Acquired from Perrotin, 2022
ドナルド・ジャッドが設立したチナティ財団(テキサス)には、光のミニマルアーティスト、ダン・フレイヴィンによるインスタレーション「untitled (Marfa project)」(1996)が恒久設置されている。2021年にチナティ財団のレジデンスプログラムに参加したヒューイットは、フレイヴィンのインスタレーションを考察し本作を含む「Daylight / Daylong」シリーズを制作した。作品は一枚の画面が二分割されており、左半分は財団があるテキサス州の夜明けを撮った写真、右半分はフレイヴィンの「untitled (Marfa project)」からインスピレーションを得た色彩が写し取られている。その二つのイメージを収めるフレームは左右で大きく厚みが異なる変形のボックス状になっており、作品の正面性が歪められている。フレイヴィンの「untitled (Marfa project)」はコ字型の建築空間に配されており、6通りの色の光が長い通路を抜けてさまざまな組み合わせで干渉し合う様子が体験できる。洞窟のような構造から漏れ出す光の照射は崇高ですらある。ヒューイットは、朝日が射して世界が暗闇から色を取り戻していく様子を眺めながら、フレイヴィンの光の彫刻がもたらす荘厳さを比して、18世紀ロマン主義と20世紀抽象表現主義〜ミニマリズムにおける両者の崇高の概念的差異として再解釈したのかもしれない。ヒューイットは本作を制作したのち、ディア芸術財団が有するフレイヴィン設計によるディア・ブリッジハンプトンでの個展(2022~2023)を開催している。