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子は宙を撃ち、鳥が高く鳴く / The child shoots in the air, the bird sings high
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Year: 2022
Medium: oil on canvas
Dimensions: 100 x 70 cm (39 3/8 x 27 1/2 in.)
Acquired from KYOTO OKAZAKI TSUTAYA BOOKS, 2022
星空、夕焼け、青空などさまざまな背景が組み合わされた背景に加えて、数多くの事物が画面に溢れかえっている。鑑賞者にとっては何の脈絡もないそれらは、大川個人にとっては自身の過去の記憶であり、一続きの時間軸に実在したはずのものたちである。他者の記憶を覗くことなど不可能であるが、仮にそれができたならこうであろう、と思わせる。詩的なタイトルの意図は読み尽くせないが、画面には鳥のシルエットが舞い羽毛が印象的に描かれており、本作において重要な主題であるだろうと想像できる。過去の何かを遺したもの、誰かがそこにいたという痕跡、人はそれらを記憶に留めながらも、やがては色褪せて消えていく。大川の作品は過ぎていく過去と失われていく記憶への焦燥や不安と同時に、時間の積層によって移りゆく現実に対する愛おしさのようなものを感じさせる。