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halation V
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Year: 2022
Medium: oil on acrylic board, mounted on wood panel
Dimensions: 41 x 32 cm (16 1/8 x 12 1/2 in.)
Acquired from √k contemporary, 2022
長谷川は表現の幅が非常に広い。一方で仏画、他方では具象的なポートレート、そして本作「halation」は完全に抽象絵画である。特にタイトルにある通り、色のハレーションを題材としている。ハレーションとは明度を合わせた異なる色彩を併置させると、その境界がお互いに干渉し合うように不快なチラつきが起こることである。本作で言えば赤と黄色、そして明るい水色がアクリル板の裏にあり、表面には暗緑色を大きく引き伸ばすようにして重ねていることが分かる。裏の色彩はいずれも隣り合えば激しく干渉するだろう。しかし暗い緑にややその効果が抑えられている。透明なアクリル板の上を滑るようなストロークによって緑の濃淡が付けられ、緑が薄れて明るさが後背にも届く場所ではハレーションが起こっているため、特にその場所での効果が強調されているように感じられる。またアクリル板の厚みによって板の面裏の色彩間に距離が生まれるため、見る角度を変えるたびにその組み合わせが微妙にズレていく。ハレーションの効果の一つに色彩がゆらゆら動いて見えるというものがあるがそれをさらに強めている。
