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Tokyo Debris
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Year: 2022
Medium: NFT, digital image
Dimensions: dimensions variable
Acquired from MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY, 2022
小林が初めて挑んだNFT作品である。タイトルにある通り東京の街を俯瞰した写真が多重露光のように複数の視点を重ね合わせて複雑な光景を作り出している。そこに画像加工が幾重にも施され、景色を歪めながら幾つものストロークが光の帯のように縦横無尽に走っている。本作はNFTであるため、デジタルデータそのものに作品としての実態がある。唯一性を証明するための技術としてNFTが美術にも活用されているが、その結果としてデジタルアートはその作品としての価値を物質性に頼らないことを実現した。本作もまた、所有者が接触し得る形として出力(プリントしたりモニタに映し出す等)すること自体に大きな制約は存在しない。なぜならそれは作品の本体を仮の姿として映し出しているだけに過ぎないからである。本作では、実現し得る限りにおいて可変であり、展示空間に合わせて可塑性を持って展開されることが許容されている。写真というものが単に印画紙に固定化されているだけの時代は終焉を迎えつつあり、それは可変性のイメージへ転化しようとしている。