TOSHIYUKI KONISHI
小西紀行
1980年広島県生まれ。2007年、武蔵野美術大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。小西は身近な人々を写したスナップ写真を元に描く。それが人物であるということがすぐに視認できる程度には具象性を残しながらも大胆なストロークによる形状の簡略化が行われ、描かれている人物それぞれの個性は全くと言って良いほどに消去されている。絵画は作家の手振り身振りを否応なく映し出すが、小西のストロークはある種の定型がありその身体性をより強調している。人物画において、一般的には最も重視されるであろう表情は特に記号化されている。目、鼻、口などは極度に簡素化されており、人種、性別、年齢などのあらゆる属性の特定を拒む。写真とは「そこにかつてあった」現実である、とロラン・バルトの写真論にある通り、小西はスナップ写真における「そこにかつてあった」親しい人たちの過去の姿を再び自らの目と手とを通してその過去性と向き合うのである。「コレクション展 アジアの風景」(2018年, 金沢 21 世紀美術館)、「ヨコハマトリエンナーレ 2017-島と星座とガラパゴス」、「ノスタルジー & ファンタジー:現代美術の想像力とその源泉」国立国際美術館(2014年, 大阪)、「絵画の在りか」東京オペラシティアートギャラリー(2014年)などの展示歴がある他、金沢21世紀美術館、国立国際美術館、高松市美術館や国内外の著名コレクションへ作品が収蔵されている。