SHINRO OHTAKE
大竹伸朗
1955年東京都生まれ。1980年、武蔵野美術大学油絵学科卒業。既存の表現形式に捉われず、尋常でない情報量と圧倒的な物量による創作活動で80年代初頭のデビュー当時から高い評価を得る。最初期には当時国際的な動向の一つでもあった新表現主義的なアプローチの作品も制作、立体、インスタレーション、版画、エッセイ、デザイン、音楽活動まで、幅広いクリエイティビティを発揮し続けている。現在までの活動期間の中で「網膜」「ビル景」「時憶」など、さまざまな作品シリーズを展開してきた。一点一点の内容の濃密さに加え、尋常でない点数の作品を制作することでも知られ、また夥しい数の関連出版物や作品集などからも分かるように、リプロダクションに対する強いこだわりも特徴的である。大竹伸朗という作家は、とにかくその身から溢れ出るイマジネーションという情報(記憶)を重ね、時間と行為を作品の中に堆積させていくことに本質があるように思われる。主な個展に東京国立近代美術館(2022年)、熊本市現代美術館/水戸芸術館現代美術ギャラリー (2019年)、高松市美術館 (2013年)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 (2013年)、アートソンジェセンター (2012年, ソウル)、広島市現代美術館/福岡市美術館 (2007年)、東京都現代美術館 (2006年)など。1989年サンフランシスコ近代美術館(各地巡回)で開かれた80年代の日本現代美術史を語る上で最重要視されていると言っても過言でない展覧会「アゲインスト・ネイチャー」にも取り上げられ、以降、瀬戸内国際芸術祭(2010年以降各回) 、光州ビエンナーレ(2010年, 韓国)、ドクメンタ(2012年, ドイツ・カッセル)、ヴェネチア・ビエンナーレ(2013年)などの重要な国際展に参加。