CERITH WYN EVANS
ケリス・ウィン・エヴァンス
1958年ラネリー(ウェールズ, UK)生まれ。1980年、セントラル・セント・マーチンズにて学位取得後、1984年、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートにおいて映画・映像分野の修士号を得る。初期は映画作家のデレク・ジャーマンの助手を務めるなど、映画および実験映像のフィールドでキャリアをスタートさせている。90年代以降は彫刻およびインスタレーション作品へと移行する。特にネオンを用いた作品で知られる。ウェールズ語と英語が共存する地域に生まれ育ち、その異言語間の非同一性を身をもって知っていることと、エヴァンス作品の修辞学的アプローチは無関係ではないだろう。それは先行する文学や芸術の作品群からの引喩に強く現れている。イメージやテキストなどをある程度直接的に引き継ぎながらも、それらを別の形式に移行することで新たな意味を重層させていく。世界各地での美術館個展多数、2002年のドクメンタ11に参加、ベネチア・ビエンナーレでは第50回(2003年)と第57回(2017年)に参加しており特に2003年はウェールズが地域として初めて公式に代表作家を選出した記念碑的なイヴェントとなった。2018年にはヘップワース彫刻賞を受賞している。MoMA(NY)やポンピドゥーセンター(パリ)他、主要な現代美術館やインスティテューション、著名プライベートコレクションでのコレクション多数。