ROBERTO PARE
ロベルト・ペレ

Madonna of Chancellor Rolin
1998年カメルーン生まれ。Foumban Institute of Fine Artsにて造形美術の学位取得。初期の作品では、ファッション雑誌から引用されたイメージを再解釈し、より近作ではヤン・ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻の肖像」やマネの「フォリー・ベルジェールのバー」など、西洋絵画の歴史的名画を引用し再解釈を試みている。それら巨匠たちの絵画の基本的な構図を引用しつつ、そこに描かれている人物や事物をアフリカの文化に由来するものへ置換している。そこで炙り出されるものは、西洋文化に対する単なる肯定の感情だけではないだろう。西洋絵画の中では、描かれた事物はさまざまな象徴や意味を示す記号として機能している。元の絵とパレの作品の間で置換されているものは事物の形や色だけではない。作品中で事物に紐づけられてた文化背景の全てが連動して置き換えられるのである。