TORKWASE DYSON
トルクワセ・ダイソン

Edge, Encounter #4 (Liquid a Place)
1973年、シカゴ(US)生まれ。1996年トゥーガルー大学(US)において社会学および社会福祉に関する学位を取得した。1999年にヴァージニア・コモンウェルス大学芸術学部(US)を卒業し、2003年にイエール大学芸術大学院(US)を修士修了。黒人の抵抗の歴史に基軸を置きながら、現代社会の環境、産業、文化、インフラさまざまな観点において黒人が「空間」によっていかに抑圧され続けているのかを、彫刻、絵画、パフォーマンスなど幅広い形態で表現する。特に「建築」という視座はダイソンにとって重要であり続けている。黒人の身体を、生活を、行動を規定してきたのは檻や壁や道路といった広義の「建築」であり、それを解放することを可能にするものもまた「建築」という同じ手段においてである。その観点を拡張した先には、環境的レイシズムとも呼ばれる現代社会の構造的病巣を射程に含んでいる。ダイソンは「空間」や「建築」を媒介とした表現活動によってそうした諸問題に対する啓発を続けている。第35回サンパウロ・ビエンナーレ(2023年)、リヴァプール・ビエンナーレ(2023年)、シャルジャ・ビエンナーレ14(2019年)、ホイットニー・ビエンナーレ(2010年)などの重要な国際展で多数紹介されている。作品は、アート・インスティテュート・シカゴ、ハーシュホーン・スカルプチャー・ガーデン(スミソニアン博物館群)、国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館(スミソニアン博物館群)、ミード美術館(アムハースト大学)などが所蔵している。