VOJTĚCH KOVAŘÍK
ボイチェフ・コヴァジーク

Dionysus
1993年、ヴァラシュスケ・メジジーチ(CZ)生まれ。中等教育課程で陶芸デザインを学んだのち、2013年オストラヴァ大学(CZ)芸術学部へ進み、2017年にポーランドの名門ワルシャワ美術アカデミーへの留学を経て、2019年オストラヴァ大学大学院修士課程を修了。コヴァジークによる神々の描写は写実性よりも図式化された構成を貫いている。身体を大きな図形のように捉える点はマティスの「ブルー・ヌード」を思わせ、主に彫刻と陶芸を学んだ経歴から初期ブランクーシあたりの形態の単純化に影響を受けているだろうことも推察される。特徴的にみられる額から真っ直ぐに伸びた鼻梁や、誇張されて歪んだ骨格の表現はピカソの表現にも通じている。冷淡な相貌に加えて青や赤などの逸脱した色彩の肌が人ならざる存在の超常性を強調している。ヨーロッパにおいて古来精神的に共有されているギリシアやローマの神話を現代的イメージと融合させることで、現代における物語絵画を制作している。パリ市立近代美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、サンドレット・レ・レバウデンゴ財団(トリノ)、マイアミ現代美術館、ヴィクトリア国立美術館(メルボルン)ほか、多くの国際的なインスティテュートがコレクションしている。