MIYUKI TSUGAMI
津上みゆき
1973年東京都生まれ。1998年、京都造形芸術大学大学院芸術研究科を修了。1996年、第7回関口芸術基金の助成によりNYに滞在。2013年から2014年にかけては五島記念文化財団研修員としてイギリスにて研修の機会を得た。一貫して風景画を制作しており、作品タイトルには常に「View」の語を含む。度重なる海外での滞在制作の経験を経て、独自の風景画を確立していく。津上の作品は、風景のスケッチを元にしているものの、完成作品においては色彩や図像は抽象化され、津上が目にした景色の実際はどうであったのかを直接的には示していない。しかし、印象派の作家たちが風景の中にある光を捉えて具象性よりもその感応に重きをおいて絵画を制作したように、津上の作品における風景とは現実に根差しつつもキャンバス上に繰り広げられる色彩とストロークの果てに作家によって内観されるヴィジョンである。主な個展に、2023年の軽井沢現代美術館(長野)、2019年の長崎県美術館、2018年の上野の森美術館(東京)、2013年の一宮市三岸節子記念美術館(愛知)、2005年の大原美術館(岡山)などがある。国立国際美術館(大阪)、東京国立近代美術館、長崎県美術館、大原美術館(岡山)、アーツ前橋(群馬)などが作品を所蔵している。