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聖者の行進 / When the Saints Go Marching In
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Year: 2019
Medium: oil on board
Dimensions: 180 x 244 cm (70 7/8 x 96 1/8 in.)
Acquired from SBI Art Auction, 2025
無数の人の群れが画面を蠢いている。楽器を鳴らすもの、花を掲げるもの、冠を戴くもの。中央には人々に担ぎ上げられた人物が固く組んだ手を天に向けている。彼/彼女が聖者だろうか。多くの人が、聖者らしき人物の上に降り注ぐ煌びやかな何かに向けて我先にと手を伸ばしている。我を忘れたような狂乱の様子は、祝祭の様子だろうか。後藤はキリスト教以前の欧州にあった土着の信仰や神話を題材とした絵画を制作している。群衆の幾人かは装飾された杖、あるいは槍を手にしている。ギリシャ神話ではディオニュソス、ローマ神話ならバッカスの持物として描かれるテュルソスの杖を思わせる。豊穣、酒と酩酊の神は人々を狂わせる。この神は巫女たち(メナド)に祝福という名の恍惚を与えて饗宴の供とし、彼女たちは獣の皮を纏い、蔦の冠を被り、テュルソスを掲げて神のために舞う狂う。後藤は魔女を描いているのだという。ここでメナドをすなわち魔女であると両者を重ねてしまうのはやや短絡的だが、バタイユやフーコーを引くまでもなくかつては聖的と讃えられながらも時代を経て同じものが狂気と断じられることは多々起こる。後藤は魔女たちの絵を通して聖と魔の観念的な逆転に感応している。