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SunderState V
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Year: 2025
Medium: polished glass, clock and painted bronze
Dimensions: 70.2 x 30.5 x 30.5 cm (27 5/8 x 12 x 12 in.)
Acquired from Pace Gallery, 2025
折れて砕けてしまったような不規則な断面を有したガラスの円柱が立っている。光を受けて高い透明性がより際立つ本作だが、その氷柱のように静的な佇まいとは裏腹に、断面を上から覗き込んだ時に現れる予想外の光景に多くの人は驚かされることになる。波打つ水面、あるいは溶けかかった氷塊のような滑らかで複雑な曲面からなるその断面は、丁寧に磨き上げられて70cmほどもある厚みを通過してその奥底にあるものにまで視線を届かせる。しかし、ガラスを通過する像は断面では大きく歪み、反射を繰り返す。ぐにゃりと歪んでいながらも、見覚えのある針の動き、目盛り、数字を見つけることで、それが時計であることがかろうじてわかる。かつてダリも時計を溶けたカマンベール・チーズのように描いたが、物理学的には時間と空間は伸縮するものであるとされている。クワデはこれまでも時間と空間における人間の主観を問い続けてきた。クワデの試みによって私たちは歪み得る現実の中に生きていることを思い出すのである。