Mirage #77
Year: 2021
Medium: acrylic, silver leaf, aluminum foil on canvas, mounted on wood panel
Dimensions: 120 x 150 cm (47 1/4 x 59 in.)
Acquired from MEET YOUR ARTS, 2022
「状態を作る」と作家は述べている。自身の手で撮影した写真をベースとした図像の定着に銀箔を用いている。金属箔を画面に取り込むということは、特定波長の吸収率が極めて高い絵具(だからこそ発色をする)よりも、広範囲に反射するもの、つまり「色」よりも「光」であると私たちが感じる現象を画面に取り込むということを意味する。特に銀は赤・緑・青の波長全てに対する反射率が高いため、白光を湛える。奈良時代ごろから仏像、建築、工芸、日本画までの技術に広く箔が用いられるのは、主にその効果に期待するからである。写真から採られた現実的な風景を、光の現象によって非現実的なものへ置き換えてみせる。作家は光によって作り出されるこの歪んだ実像を、気象現象に準えてMirage(蜃気楼)と呼んでいる。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
本サイトに掲載されているデータは著作権の保護の対象となります。無許可での転載・転用はご遠慮ください。 Any materials on this website are protected by the copyright law. No reproduction without permission allowed.