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pink and purple on pastel yellow
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Year: 2015
Medium: acrylic on canvas (unstretched)
Dimensions: 152 x 99.5 (59 7/8 x 39 1/8 in.) approx.
Acquired from Isetan Art Gallery, 2023
篠原の代表作である「ボクシングペインティング」の一点。タイトルにある通りピンク、紫、そして黄色の構成であるが、本質は色彩よりもやはりボクシンググローブによって放たれた色彩がキャンバスに衝突して作り出すインパクトである。篠原はピンク、としているが紫と混ざりあい、深みのある赤と言ってもよいだろう。2015年といえば1932年生まれの篠原は83歳での制作ということになる。絵具を含んだグローブは重く、キャンバスにぶつかる瞬間に弾け飛んだ絵具の飛沫が、篠原の「アクション」をそのまま示す。ポロックのアクションペインティングや白髪のフットペインティングに比較される通り、篠原のボクシングというインパクトを絵画に転ずるアイデアは筆に頼らず抽象表現を導くための画期的な手法であると同時に、その破壊の「アクション」は篠原が一貫してコミットしている「反芸術」的態度を象徴的に示す。