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多摩童子 2
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Year: 2021
Medium: oil on canvas
Dimensions: 72.8 x 60.6 cm
Acquired from Galerie Tokyo Humanité, 2022
夜の街だろうか。高く聳える一基の鉄塔のようなもの、そして濃紺に広がる夜空へ光が吸い込まれていくように、多数の光の粒が散っている。そして青白い山並みは大きく横たわる人影のように見える。その瞳は地上に向けて視線を落としている。どことなく不安を抱かせる内容ではあるものの、透き通るような色彩がそれを散じる。境界線で絵の具が滲んで、濃紺から白の大きなコントラストを柔らかく見せている。夜の漁火や丘から見下ろす夜景のように、遠くに見える光には人が生きる証を感じるものだ。白く横たわる人影の瞳は冷たく鋭い眼差しを湛えているものの、画面上にある他の何より一層激しく灯っており、生命の象徴を見て取れるように思われる。