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Untitled -141-
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Year: 2022
Medium: oil on canvas
Dimensions: 72.7 x 91 cm (28 3/8 x 35 7/8 in.)
Acquired from Seibu Shibuya Art Gallery, 2022
黄色から紫までの幅広い諧調を一つの画面に積層させている。吉田は鉱物が悠久の時間が積層した産物であることに美しさを見出している。鉱物はそれぞれを構成する元素によって、さまざまに結晶する。法則性はありながらも一つとして完全に同じ造形はあり得ない。吉田の作品は塗っては削るという破壊と再生を繰り返して作られる。本作においても画面を見れば一目瞭然、幾重にもわたる塗装の痕跡がその激しさを隠すことなく鑑賞者の目を強く刺激する。吉田はそのコンセプトにおいて、本作とさして変わらぬ行為を他の作品でも同様に続けているはずだが、結果としてはそれぞれ全く異なる作品となる。それはほんの僅かな構成や手順の違いでも最終的に大きな差異となって画面に表れてくるからである。特に本作においては瀑布のような激しい上下の動性と共に、下方から広がる噴煙のように無軌道な筆触が力強く表れている。