REINA MIKAME
三瓶玲奈

線を見る / Looking at the line
1992年愛知県生まれ。2015年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業ののち、2017年に東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻を修了。初期から一貫して光を描こうと試み続けている。シャンデリアや夕日、木漏れ日や水面の様子を題材として、風景のあるがままを描くのではなく、そこにある光の在り方を表現している。従って、膨大なスケッチに下支えされていながらも三瓶の作品は必ずしも具象的とは言い難い。実際に、キャンバスへ向かう段においてはスケッチを見て描くということはなく、手で覚えた感覚を頼りに制作は進められていくため適度に形象が簡略化され、それ故に光の存在が際立って見えてくるのである。幅広い平筆の至極荒い点描あるいはグリッドのようなように見える筆致もまた、風景の中にある光の粒子をおおらかに捉え直して可視化しているようだ。「VOCA展 2020」(上野の森美術館, 東京)、「Project N 69 三瓶玲奈」(2017年, 東京オペラシティアートギャラリー)、「アーツ・チャレンジ 2019」(愛知芸術文化センター)など、精力的に発表を続けている。