JONATHAN CHAPLINE
ジョナサン・チャプリン

Metropolis
1987年、ジョージア州サバンナ(US)生まれ。2010年にロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD)を卒業。デジタル・ネイティブやミレニアルズと呼ばれる世代らしく、ゲームやCGなどの視覚情報に親しみながら少年期を過ごしている。その一方で、教養科目も含む基礎教育に堅実な方針で知られるRISD在学中には、現在のようなデジタルツールを用いた表現ではなく絵画の基礎実技を徹底的に身につけている。手で絵を描くことを好むといういかにも画家らしい欲求と、自らが思い描くイメージがデジタルと親和性が高いことはチャプリンの中では相反しない。自身のドローイングやスケッチ、資料写真など、複合的な素材を3DCG制作ツールに取り込んで図像を「モデリング」する。そして、特定の光源やパースに沿って、図像に対して物質感や空間座標を実装していく「レンダリング」によって絵画の構成が決定されていく。そうして作られた下絵を最終的には作家がパネル上に絵具を使って描き出していくというプロセスを経ている。3DCGによる現実では起こり得ない力学を無視した構造、非自然的な陰影・色彩の表現などを絵画にフィードバックさせるという、従来の絵画では深い議論がなされてこなかった領域をデジタルとアナログの間で実践している。