LIONEL ESTÈVE
リオネル・エステーヴ
1967年リヨン(FR)生まれ。さまざまな素材を用いたコラージュやアッサンブラージュ的な作品で知られる。その素材とは、自然の中や生活の中にありふれている石や貝がら、プラスチック片やビーズなど、身近にあっていつでも手にすることの出来るようなものの中から選ばれている。素材を触媒として惹起された形象や図像と、自身が旅をした記憶や家族と過ごした思い出などプライベートな事柄への追想が重なって構成されるのがエステーヴの作品である。レヴィ=ストロースの文化人類学においてはその場のありあわせの素材から必要な道具を作り出していく術をブリコラージュと呼ぶが、彫刻なのかあるいは絵画なのか、その美術としての形態すら未分化のまま作品を作り出していくエステーヴは素材から得る「記号」によるインスピレーションに溢れている。1999年「Generation Z」(P.S.1, NY)、2006年「An Eye on Europe」(MoMA, NY)、2017年ブルガリ主催による「SerpentiForm」(森アーツセンター, 東京 / サイエンスミュージアム, シンガポール)、2019年「Points de Rencontres」(ポンピドゥーセンター, パリ)など世界各地での展覧会多数。ポンピドゥーセンター(パリ)、国立造形芸術センター(パリ)、FRACブルターニュ(レンヌ)などの公的な美術機関にコレクションされている。