SHUNSUKE IMAI
今井俊介
1978年福井県生まれ。2004年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。2000年代の活動初期の作品ではポルノ画像と自身の絵画を重ねるなど、強い具象性と抽象的な要素との複合によって図像に付属する特定の意味をキャンセルしていく作品などを制作。その後、知人のスカートの生地が風にゆらめいて作り出した偶発的な色と形にインスピレーションを得て、ストライプや水玉、クロスなどパターンを絵画的に再構成する作品を制作している。鮮やかなパターンの生地をドレープ状に撓ませたりしわを作ったりすることで立体的な造形を作り、それを単純な色彩と形に再解釈する。色面は刷毛目を一切残さないことで、敢えてそれがプリント生地であるかのように見せかけている。デザイン的な要素を絵画の主題とすることによって、両者の曖昧な表現領域において自己言及的であろうとする態度は、今井の作品が極めて強固な絵画であるというステートメントとして機能している。主な個展に、2022年から2023年にかけて丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と東京オペラシティアートギャリーを巡回した「スカートと風景」、2019年「range finder」Kunstverein Grafschaft Bentheim(ノイェンハウス, GE)、2014年「第8回 shiseido art egg 今井俊介 “range finder”」資生堂ギャラリー(東京)など。国立国際美術館(大阪)、愛知県美術館、東京都現代美術館、福井県立美術館、Auckland Art Gallery(ニュージーランド)などが作品を所蔵している。